ペイチェック 消された記憶

ペイチェック 消された記憶(2003/アメリカ)
評価(お奨め度)★★★☆☆
監督: ジョン・ウー
製作: テレンス・チャン/ジョン・デイヴィス/マイケル・ハケット/ジョン・ウー
製作総指揮: ストラットン・レオポルド/デヴィッド・ソロモン
原作: フィリップ・K・ディック(ハヤカワ文庫刊『ペイチェック-ディック作品集』収蔵)
脚本: ディーン・ジョーガリス
撮影: ジェフリー・L・キンボール/ラリー・ブランフォード
美術: ウィリアム・サンデル
音楽: ジョン・パウエル/ジェームズ・マッキー・スミス/ジョン・アシュトン・トーマス
出演: ベン・アフレック/アーロン・エッカート/ユマ・サーマン/コルム・フィオール/ジョー・モートン/ポール・ジアマッティ/マイケル・C・ホール/ピーター・フリードマン/キャスリン・モリス/イワナ・ミルセヴィッチ/クリスタ・アレン

『男たちの挽歌』シリーズ、『ブロークン・アロー』『フェイス/オフ』『M:I-2』『ウインドトーカーズ』のJ.ウー監督。極秘プロジェクトに参加するフリーのエンジニアという設定が面白い。多額の報酬と引き替えに開発に携わった2週間の記憶を消すのが条件だという原作者フィリップ・K・ディックのアイディアは素晴らしい。彼は『ブレードランナー』『マイノリティ・リポート』でも未来の発達した技術により人間本質に帰する問いかけを提起してきた。記憶を消された男が、残されたガラクタのアイテムを元に、巻き込まれた陰謀の中で、失われた記憶と自分を取り戻していくサスペンスには社会的テーマが盛り込まれていたはずだ。しかし、『M:I-2』でアクション映画監督としてのイメージがさらに強くなったJ.ウー監督はガン・アクション、バイク・アクションに注力し、人物描写が足らずに終わった。白鳩が飛ぶシーンも、フリーのコンピュータエンジニア・マイケル(B.アフレック)とペイチャック契約をしたオールコム社のレスリック(A.エッカート)とがガンを突きつけあうシーンも空回り。これらはJ.ウー映画のシンボルとなる演出であるが、シーンの必然性が無い。『フェイス/オフ』でも接近して銃を突きつけあう場面はあるが、彼らは互いに顔を交換した男であり、顔を見つめあうことに重要な意味があるし、二人の間には鏡という小道具付。対峙した敵(自分?)を見つめるのだ。マイケルとレスリックが向かい合うだけのキャラクター造詣はなされていない。早く撃ち合えばいいのだ。さて一方、物語の見所は記憶を消されているだろう自分に未来を託し、オールコム社の陰謀に立ち向かうこと。その中でマイケルが気付く、報酬と引き換えに失ってしまうもの。それはレイチェル(U.サーマン)。のはずなのだが、オールコム社のウォルフ(C.フィオール)にずっとせわしなく追われる設定のため、彼女とのロマンスを描けずアクションのみに終わってしまった。とはいうものの振り返ってみると、未来が見える装置の爆発以外、印象に残るこれは凄いというシーンも無く、ガラクタを抱え消された記憶をただ辿っただけで活劇としてもいまひとつであった。劇場で観た映画だがTV放映にて2度目の鑑賞である。

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