ワールド・トレード・センター

ワールド・トレード・センター(2006/アメリカ)
原題: WORLD TRADE CENTER
評価(お奨め度)★★★★
監督: オリヴァー・ストーン
製作: マイケル・シャンバーグ/ステイシー・シェア/モリッツ・ボーマン/オリヴァー・ストーン/デブラ・ヒル
脚本: アンドレア・バーロフ
撮影: シーマス・マッガーヴェイ
プロダクションデザイン: ヤン・ロールフス
衣装デザイン: マイケル・デニソン
編集: デヴィッド・ブレナー/ジュリー・モンロー
音楽: クレイグ・アームストロング
出演: ニコラス・ケイジ/マイケル・ペーニャ/マギー・ギレンホール/マリア・ベロ/スティーヴン・ドーフ/ジェイ・ヘルナンデス/マイケル・シャノン/ニック・ダミチ/ダニー・ヌッチ/フランク・ホエーリー

『プラトーン』『ウォール街』『ニクソン』、最近では『アレキサンダー』を、『7月4日に生まれて』、『JFK』でのアカデミー賞受賞監督のO.ストーンの選びそうなシリアスな題材だ。あの9.11、信じられないような不幸な光景を見せ付けられた米国同時多発テロ。映画化にあたっては神経を使う。製作に当たっては事実に拘り、主人公であるジョン・マクローリン氏、ウィル・ヒメノ氏へのインタビュー、リサーチを充分に行ったという。ビルへ救助、救済に向かい、死亡した警官、消防員は400名。マクローリン氏やヒメノ氏のようにビル崩壊の惨状から助け出されたのは20名だそうだ。その内彼ら2人に絞り、9月11日の早朝、マクローリン(N.ケイジ)が家を出てから、旅客機衝突、ビル崩壊し瓦礫の下敷きになった彼らが救助されるまでを描いている。瓦礫の下敷きになったマクローリンとヒメノ(M.ペーニャ)は全く動けない。圧迫された体や内臓の痛みは気を遠くし、出血の多さから眠りを誘う。意識の持続で身体機能を維持しているようなものである。二人以外で周りに生き埋めになった仲間はもう死んでしまった。助けなんてまず期待できない絶望的な身動きの出来ない状態が続くのだ。息苦しく、気の狂いそうになる足一つ手一つ動かすことの出来ない状態で何時間もいるなんてことには耐えられず、閉所恐怖症の自分だったら発狂している。彼らを支えたのは愛する妻、アリソン(M.ギレンホール)やドナ(M.ベロ)、子供たちへの想いだった。そして「お前が死んだら、俺も死ぬ。寝るな。」と支え合ったお互いの存在だ。さらに、いつ崩れるか分からない瓦礫の隙間に入っていき、二人を助け出す消防士、看護士たちの勇気が示される。この二人のプライベートな部分に絞ったことが、人間愛を深く描くに至った。テロという哀しい出来事を、あえて悪である部分に触れず、助け合う人の温かみを描いたのは、難しい題材を映画化する上で上手い方法であった。9.11を描く『ユナイテッド93』も早く観たい。

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