消えた天使

消えた天使(2007/アメリカ)
THE FLOCK
評価(お奨め度)★★★☆☆
監督: アンドリュー・ラウ
製作: アンドリュー・ラウ/フィリップ・マルチネス/ジェネット・カーン/ラリー・ラパポート/アダム・リッチマン/エリー・サマハ
製作総指揮: デヴィッド・ゴートン/カリーヌ・ベール/ロバート・レヴィ/ドリュー・ラーナー/ピーター・シュウェリン/リュック・カンポ/アラン・レイサム
脚本: ハンス・バウアー/クレイグ・ミッチェル
撮影: エンリケ・シャディアック
プロダクションデザイン: レスター・コーエン
衣装デザイン: デボラ・エヴァートン
編集: マーティン・ハンター/トレイシー・アダムズ
音楽: ガイ・ファーレイ
出演: リチャード・ギア/クレア・デインズ/アヴリル・ラヴィーン/ケイディー・ストリックランド/レイ・ワイズ/ラッセル・サムズ/マット・シュルツ/クリスティーナ・シスコ/ドウェイン・バーンズ/エド・アッカーマン/フレンチ・スチュワート

『インファナル・アフェア』『インファナル・アフェア 無間序曲』『インファナル・アフェアⅢ 終極無間』の3部作、『デイジー』のA.ラウ監督が、性犯罪者の行政登録と情報公開を義務付けたメーガン法制度を持つアメリカ社会を描いていく。公開制度をとっているのはアメリカだけで、それ故の問題も抱えている。近所に犯罪者がいると分かれば用心できる一方で、性癖を持つ者どうしのネットワークも出来、より危険な犯罪が起こる可能性もある。性犯罪登録者の監察はより厳しく行われるようになり、そこから生じる登録者のストレスも無視できない。主人公である公共安全局のエロル・バベッジ(R.ギア)の監察訪問もエスカレート気味に描かれ、退職勧告を受けたバベッジの後任アリスン(C.デインズ)もそのやり方に異常性を感じていた。だが、登録者の殆どは偏執的性格を持った者であり、まともな対応ではやっていけない。性犯罪が多発するアメリカでは監察官一人がおよそ千人の登録者を受け持つ状況にあるとの説明がなされていたが、そのような状況でバベッジがおかしくなるのも無理からぬ事である。児童ポルノカメラマン(M.シュルツェ)やバラバラ殺人の罪で死刑執行となった男の妻で自らも性的暴行罪の実刑となったビオラ(K.ストリックランド)に、強姦罪に問われたエドマンド(R.サムズ)等に会わなければならない仕事はきつい。そして女子大生ハリエット・ウェルズ(K.シスコ)を誘拐したのも彼らではないかと疑ってかかって、警察のように捜査し越権行為に及ぶのも仕方のないことであろう。物語は実際エドマンドに暴力を振るわれているらしかった彼女(A.ラヴィーン)が殺されて発見されるし、目をつけた彼らはやはり犯人であり、犯罪に関与していた。再犯がなされてしまうことの恐ろしさ辛さが充分に表現されていた。奥山篤信は「超★映画評-愛と暴力の行方」で土埃というアメリカの不吉な色彩と猟奇殺人のイメージを重ね合わせたA.ラウ監督の才能を評していた。確かに上手いとは思うが、ラストで乾いた砂地に打ちのめされ佇む主人公から痛いほど無情感が伝わる『セブン』の2番煎じとも取れる。犯罪はどのように押さえ込めるであろうか。一般情報公開を行うメーガン法の弊害も見て取れた。司法のみに任せず、自らの責任で犯罪者と対峙していこうとする姿は銃社会アメリカならではの考えだと思う。無防備に被害を受けるも良しとはしないが、犯罪行為に追い込む、或いは誘い込む社会の力も考えておきたい。ともあれ女子大生は助かって良かった。

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