カッコーの巣の上で

カッコーの巣の上で(1975/アメリカ)
ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST
評価(お奨め度)★★★★★
監督: ミロス・フォアマン
製作: ソウル・ゼインツ/マイケル・ダグラス
原作: ケン・キージー
脚本: ローレンス・ホーベン/ボー・ゴールドマン
撮影: ハスケル・ウェクスラー/ビル・バトラー
音楽: ジャック・ニッチェ
出演: ジャック・ニコルソン/ルイーズ・フレッチャー/マイケル・ベリーマン/ブラッド・ドゥーリフ/ウィル・サンプソン/クリストファー・ロイド/ダニー・デヴィート/ポール・ベネディクト/スキャットマン・クローザース/ネイサン・ジョージ/ピーター・ブロッコ/ディーン・R・ブルックス/アロンゾ・ブラウン

患者に行っていた電気ショックを電撃けいれん療法ECTといい、脳にてんかんに似た大きな発作を起こし神経電気回路を活性化させる。狂人を装っていると思われている囚人マクマーフィ(J.ニコルソン)が鑑定の為に送り込まれた精神病院で行われていた死なない程度のお仕置きのことだ。ロバート・L・シュック著「新薬誕生-100万分の1に挑む科学者たち」に本作で描かれた療法としての説明が記述されている。通常は薬物で眠らされ、麻痺させた状態で行うらしい。副作用や再発率も高いが薬物感受性が低い時に使う処方だそうだが、看護婦長ラチェッド(L.フレッチャー)のやり方には患者QOLの追及は感じられず、一種異常性のようなものを感じずにはいられない。『ヘアー』『アマデウス』『ラリー・フリント』『マン・オン・ザ・ムーン』のM.フォアマン監督。1975年アカデミー賞、作品賞、主演男優賞(J.ニコルソン)、主演女優賞(L.フレッチャー、監督賞(M.フォアマン)、脚色賞(L.ホーベン、B.ゴールドマン)、同年全米批評家協会賞主演男優賞(J.ニコルソン)、同年NY批評家協会賞男優賞(J.ニコルソン)、同年LA批評家協会賞作品賞、同年ゴールデン・グローブ作品賞(ドラマ) 、男優賞(ドラマ) (J.ニコルソン) 、女優賞(ドラマ) (L.フレッチャー)、監督賞(M.フォアマン) 、脚本賞(L.ホーベン、B.ゴールドマン)、新人男優賞(B.ドゥーリフ)、1976年英国アカデミー賞、作品賞、主演男優賞(J.ニコルソン)、主演女優賞(L.フレッチャー)、助演男優賞(B.ドゥーリフ)、監督賞(M.フォアマン)、編集賞受賞とちょっと調べてみると凄い受賞暦である。上述書籍の影響もあり、所有DVDにて再鑑賞となる。改めて、考えさせられる凄い映画だ。精神病院という中にあっても人間らしさや自由を求める心は無視できないことを感じさせる。精神障害がある患者であろうと自由への渇望は欠かせない。精神を病んでいても心はそれを拒んでおり、尊厳性は維持したいと思っている。異常と思える彼らの行動の中にヒューマニズムを紡いだ映画だ。そんな患者達を演じるのが曲者俳優といわれる男達で彼らの演技に圧倒する。マーティニを演じるのが『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』『ナイルの宝石』の小悪党ラルフを演じ、『殺したい女』『ツインズ』で有名なD.デヴィート。デイバーには『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のドクを演じた、『アダムス・ファミリー』『アダムス・ファミリー2』のC.ロイド。どちらかといえばコメディ的イメージのある二人がソノニュアンスを生かして、マクマーフィに興味を持ってついていく役を上手く演じている。また、女房の浮気に疑念を抱き、厳格なしがらみから上手く自分を解き放てないハーディングを『ミクロの決死圏』のW.レッドフィールドが。そして、母親の権威に支配され、ラチェッド監視下の世界から抜け切れず遂には自殺してしまうビリーを『チャイルド・プレイ』シリーズ、『薔薇の素顔』『告発』のB.ドゥーリフが演じそれぞれ執拗な性格をマクマーフィの持ち込んだ新しい風に戸惑う様子を含めて上手く演じきった。ケン・キージー原作の映画化権を持っていたカーク・ダグラスが息子マイケル・ダグラスに権利を譲りM.フォアマン監督とのタッグにより実現した本作は反体制主義を強烈に謳いあげるヒューマニズムだ。そこにJ.ニコルソンの怪演なくしてはありえなかった。抑圧に贖い切れずに脳外科手術により廃人となったマクマーフィの姿が強烈だった。M.フォアマン監督はインディアンのチーフ(W.サンプソン)に夢を託す。病院患者の中で唯一マクマーフィのことを理解するチーフは病院からの脱出というマクマーフィの夢を彼が言っていた方法で脱出する。ガラスの割れる音に沸くデイバー等患者達。自由を目指すマクマーフィは彼らにとっても希望であり夢であるのだ。彼らはマクマーフィが廃人とされ、今ではこの世にもいないのだと知ることになってもチーフと共に抜け出せたのだと理解するだろう。きっと・・。

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