レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―

レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―(2009/アメリカ/中国/日本/台湾/韓国)
RED CLIFF: PART II
評価(お奨め度)★★★★
監督: ジョン・ウー
アクション監督: コリー・ユン
製作: テレンス・チャン/ジョン・ウー
製作総指揮: ハン・サンピン/松浦勝人/ウー・ケボ/千葉龍平/デニス・ウー/ユ・ジョンフン/ジョン・ウー
脚本: ジョン・ウー/チャン・カン/コー・ジェン/シン・ハーユ
撮影: リュイ・ユエ/チャン・リー
美術: ティム・イップ
衣装デザイン: ティム・イップ
音楽: 岩代太郎
主題歌: アラン
出演: トニー・レオン/金城武/チャン・フォンイー/チャン・チェン/ヴィッキー・チャオ/フー・ジュン/中村獅童/リン・チーリン/ユウ・ヨン/ホウ・ヨン/トン・ダーウェイ/ソン・ジア/バーサンジャプ/ザン・ジンシェン/チャン・サン

『ハード・ターゲット』『ブロークン・アロー』『フェイス/オフ』『M:I-2』『ウインドトーカーズ』『ペイチェック 消された記憶』とハリウッド映画で活躍を続けるJ.ウー監督が中国に戻って手がけた超大2部作『レッドクリフ Part I』に続く第2弾はいよいよ赤壁のクライマックス。三国志最大の戦い。やはりお金をかけただけのことはあるというスケール感。軍船2000隻が赤壁で対陣する迫力は凄い。カメラを引いて次第に上空へと上がって捕らえた鳥瞰ショットは、まさに『トロイ』で攻め込んで来たスパルタの大船団を思い出す。どこまでも船団が尽きないような圧倒感だ。これだけのものを見せてくれるCG技術も凄いが、実際に船を作った曹操(Z.フォンイー)軍、いや奴隷のように働いた民衆だ。この民衆への接し方、想いに曹操軍、孫権(C.チェン)軍、劉備(Y.ヨン)軍では差がある。疫病に倒れた者をも戦いに利用する曹操。疫病から逃れるため同盟の責を果たさず陣営を離れる(これは敵軍を欺く作戦だったが、大量の矢を持って帰ったことまでもが作戦ではないはず)劉備軍。その指揮ぶり、兵士の扱いには重きを置いて描いていたようだ。とはいえ、赤壁と言えば孔明(金城武)。頭脳をもって活躍するヒーローの逸話は多い。大蛇のごとき雲の後には濃霧になる。霧に紛れて案山子船を出すだけで労せず蔡瑁と張允から10万本の矢を手に入れるという戦術だけでなく、発明品も出てくる。東南の風を知る役割を果たした孔明灯。先述の人道にもとる曹操に送られた疫病者を火葬で弔うシーンで幻想的に宙を舞う。さらには弓を連射できる連弩、饅頭等と共に孔明の有名な発明品だ。そして天才軍師の最大の見せ所が、黄蓋(Z.サン)の火責め作戦を成功に導く、東南の風、陸湖風が吹くを読むことだ。蔡瑁と張允なき曹操軍にはこれを予測出来る者はもういない。発ろのポーズから団扇で大きく扇ぐと次々に翻る旗の向きが変わっていく。まさに風向きが変わるとはこのこと。意気揚々と火を掲げ向かっていく連合軍。魚油に硫黄を混ぜた甘興(中村獅童)版ナパーム弾で勢い良く次々に曹操軍の大船団に燃え広がる。この後の戦いでは、中国(香港)では『男たちの挽歌』『狼たちの絆』等でハードボイルドを確立し独特の世界観を構築したJ.ウーが、拳銃の使えない歴史劇にどう持ち込むかが楽しみであった。だが思ったほど関羽(バーサンジャプ)や張飛(Z.ジンシェン)、趙雲(H.ジュン)ら豪傑ヒーローが戦闘シーンで際立ってはいなかった。盾を使ったローマやギリシャ軍のような戦術をたくさん見せてくれる。規模の大きい戦い故にしかた無しとしてもJ.ウーならではと感心できる部分がないのは寂しい。孫権軍、劉備軍はついに本陣の曹操にもたどり着く。結局同盟軍は捕えたも同然の曹操を解放し逃がすのだが、大事なエンディングの違う描き方は無かったか。私には接近遭遇にリアリティは感じられないため、遠距離対峙の演出を想像してしている。これだけのことを成し遂げた孔明と周瑜(T.レオン)であるがこの後敵同士となるのだ。生き抜く為に心許せぬ間柄がそこにはあった。大変な時代である。そして小喬(L.チーリン)の茶一杯で人生を狂わすこと無かれという、男にとって大事な戒めもここにはある。

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