ブラックブック

ブラックブック(2006/オランダ/ドイツ/イギリス/ベルギー)
ZWARTBOEK
BLACK BOOK
評価(お奨め度)★★★★
監督: ポール・ヴァーホーヴェン
製作: テューン・ヒルテ/サン・フー・マルサ/ジョス・ヴァン・ダー・リンデン/イエルーン・ベーカー/イェンス・モイラー/フランス・ヴァン・ヘステル
製作総指揮: グレアム・ベッグ/ジェイミー・カーマイケル/アンドレアス・グロッシュ/ヘニング・モルフェンター/アンドレアス・シュミット/マーカス・ショファー/チャーリー・ウォーケン/サラ・ギルズ
原案: ジェラルド・ソエトマン
脚本: ジェラルド・ソエトマン/ポール・ヴァーホーヴェン
撮影: カール・ウォルター・リンデンローブ
プロダクションデザイン: ウィルバート・ファン・ドープ
衣装デザイン: ヤン・タックス
音楽: アン・ダッドリー
出演: カリス・ファン・ハウテン/トム・ホフマン/セバスチャン・コッホ/デレク・デ・リント/ハリナ・ライン/ワルデマー・コブス/ミヒル・ホイスマン/ドルフ・デ・ヴリーズ/ピーター・ブロック/ディアーナ・ドーベルマン/クリスチャン・ベルケル/サンダー・ストラート/ヨブスト・シュニベ/ボリス・サラン/ジャック・ヴェヒト/ジャクリーン・ブロム/セス・カムプハイス/ヘルマン・ボールマン/スキップ・ゴーリー

『ロボコップ』『トータル・リコール』『スターシップ・トゥルーパーズ』のP.ヴァーホーヴェン監督が、オランダへ逃れようと手筈してもらいながら罠にはめられ待ち受けるらドイツ兵に両親、弟マックスら皆撃ち殺されたユダヤ人女性ラヘル(C.ファン・ハウテン)がレジスタンスに助けられ、彼らに協力する恐ろしく厳しい大戦中の人生を描く。ラヘルがチフスによる死体を装って検問を欺いていく様はまさに息も付けぬ緊迫した恐怖である。青年ティム(R.アームブラスト)に助けられたラヘルは、ティムの父ヘルベン・カイパース(D.デ・リント)がリーダーを務めるレジスタンスに身を投じ、ユダヤの名を捨て、金髪に染めエリス・デ・フリースの名でドイツ軍に潜り込む。切手収集家のナチス将校ムンツェ(S.コッホ)の愛人という手段を使って。歌手であるラヘルは宴での注目も得、ムンツェの愛人として潜り込んでいく。そんな中、ムンツェに髪を染めていることを疑われるシーンがある。執拗に釈明を迫るムンツェに「キスして」の一言で事なきを得るが、裸で迫られると男は弱いという事だろう。ここは潜入前に陰毛も金色にするシーンもあるし、実際陰毛をムンツェが確認するというボカシも使った生々しいエロス描写がある。この辺はいかにも『氷の微笑』『ショーガール』『インビジブル』のP.ヴァーホーヴェン監督!という感じである。彼が描くエロスにはどこか異質な感性がある。世間ではそれを悪趣味だとか言ったりするが、本作では効果的であったと思われる。ユダヤ人とナチスを描いた作品ながら『戦場のピアニスト』等のような戦争文学と違う感じになっているのも彼の手腕といえる。見終わって分かったのであるが、本作はユダヤ人を強殺へ手引きした裏切り者はファン・ハイン(P.ブロック)だけでなく、ラヘルが肉体まで使って貢献したカイパース下レジスタンス内部にも裏切り者がいて、ラストに「実は・・」的に裏切り者が明かされる展開となっており、ナチスの非道さのみを強調する作品ではない。ここで、タイトル“ブラックブック”とはフランケン(W.コブス)のようなナチス将校が私腹を肥やす強殺事件を繰り返す中、そのスパイに売られた裕福なユダヤ人犠牲者のリストのことをいう。公証人スマール(D.デ・ヴリーズ)が持っていたブラックブックの存在が後にカイパースも驚く裏切り者へと導くのだ。ムンツェ銃殺の知らせを聞いたラヘルは悲しみの余り発作を引き起こす。鎮静剤と称してインスリンをハンス(T.ホフマン)(実は同志だと思っていた彼が真犯人だった)に注射され低血糖による危険状態から脱するアイテムがチョコレート。このチョコレートは所々にキーワードのように出されるが、とっぱしムンツェを訪問した際に彼に進められるのがチョコレート(同じ銘柄だと思う)である。ムンツェもとことんまで悪ではなく、ラヘルを助け共に逃げていくという一つの愛を描いていく。命を救ってくれたのが、今はもういない彼が進めてくれたチョコレートだったというのも運命めいたものを感じさせる。

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