ボルベール <帰郷>

ボルベール <帰郷>(2006/スペイン)
VOLVER
評価(お奨め度)★★★★★
監督: ペドロ・アルモドバル
製作: エステル・ガルシア
製作総指揮: アグスティン・アルモドバル
脚本: ペドロ・アルモドバル
撮影: ホセ・ルイス・アルカイネ
編集: ホセ・サルセド
音楽: アルベルト・イグレシアス
出演: ペネロペ・クルス/カルメン・マウラ/ロラ・ドゥエニャス/ブランカ・ポルティージョ/ヨアンナ・コボ/チュス・ランプレアベ/アントニオ・デ・ラ・トレ

『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『バッド・エデュケーション』のP.アルモドバル監督によるヒューマンドラマは父親による娘へのレイプから殺人事件というシリアスな題材ながら幽霊?というエッセンスを交えて力強く生きる女性達の姿を描いている。娘パウラ(Y.コボ)が父親バコ(A.デ・ラ・トレ)に襲われそうになったため、バコを殺してしまったことを聞かされライムンダ(P.クルス)は驚く。娘パウラを遠ざけ、血まみれになった夫バコの死体を片付けていくライムンダが力強く逞しい。友人にただ預けられたレストランを切り盛りしていく姿も頼もしい。冷蔵庫に死体を隠し、機を見て死体を捨てに行く。という話なのだが、これに故郷でのパウラ伯母さん(C.ランプレアベ)の葬儀で、ライムンダの姉ソーレ(L.ドゥエニャス)は死んだはずの母イレーネ(C.マウラ)の姿を見たというような幽霊話を聞く。そんなスリラー話?と思ったのもつかの間、イレーネは足のついた姿で登場。死んでなかったのだ。父親と共に焼け死んだと思っていたのはイレーネではなく、父親の浮気相手だったのだ。イレーネは節操の無い旦那に制裁を加えたのだ。節操の無いソーレの父親は浮気をしていただけでなく、更にはライムンダもレイプされていたという衝撃の事実が明かされるのだ。その子供がパウラであり、そのパウラも父親バコに犯されそうになるという惨い運命の繰り返しである。ライムンダにとってパウラは実の娘であり、血の繋がった妹であるのだ。そして、焼死していた女性を母に持つ、その日行方不明になった不可解な出来事の真相を知りたいと切望する娘アグスティナ(B.ポルティージョ)はラインムンダ達と仲が良く彼女達に代わりに故郷での面倒を見てくれているが末期がんである。といった感じの話の割には暗くはなっていない。死んだと思われているイレーネがしたオナラを母のオナラのようだとラインムンダは言い当てる。重苦しいテーマを吹き飛ばすシーンだ。オナラをしたイレーネですら笑うのだ。奥山篤信「超★映画評」で書かれているが、ライムンダはかつて夫が好きだった湖畔に娘に殺された夫を葬る。イレーネは夫の浮気相手の娘アグスティナの介護をする。そういった優しさこそが監督が描こうとする女性達の力強さであり優しさである。ライムンダの力強い大きなお尻は付け尻だそうだ。やけにでかいなあと思ったのと、強調するかのように振って歩くP.クルスのそれも演出だったのだ。彼女たちを演じた女優人たちは女優賞を獲得している。本作は2006年カンヌ国際映画祭女優賞(P.クルス、C.マウラ、L.ドゥエニャス、C.ランプレアベ、Y.コボ、B.ポルティージョ)、脚本賞(P.アルモドバル)、同年ヨーロッパ映画賞監督賞(P.アルモドバル)、女優賞(P.クルス)、音楽賞(A.イグレシアス)、観客賞(P.アルモドバル)の各賞受賞。

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  • ボルベール 帰郷:映画

    Excerpt: 今回紹介する映画は、カンヌ国際映画祭で最優秀脚本賞・最優秀女優賞を受賞したペネロペ・クルス主演の『ボルベール 帰郷』です。 ボルベール 帰郷:ストーリー 15歳の娘と失業中の夫とマドリッド.. Weblog: ムービーラボ racked: 2009-07-31 11:46