天国と地獄

天国と地獄(1963/日本)
評価(お奨め度)★★★★★
監督: 黒澤明
製作: 田中友幸/菊島隆三
原作: エド・マクベイン『キングの身代金』
脚本: 小国英雄/菊島隆三/久板栄二郎/黒澤明
撮影: 中井朝一/斎藤孝雄
美術: 村木与四郎
音楽: 佐藤勝
監督助手: 森谷司郎/松江陽一/出目昌伸/大森健次郎
記録: 野上照代
照明: 森弘充
出演: 三船敏郎/香川京子/江木俊夫/佐田豊/島津雅彦/仲代達矢/石山健二郎/木村功/加藤武/三橋達也/伊藤雄之助/中村伸郎/ 田崎潤/志村喬/藤田進/土屋嘉男/三井弘次/千秋実/北村和夫/東野英治郎/藤原釜足/沢村いき雄/山茶花究/西村晃/浜村純/清水将夫/清水元/名古屋章/菅井きん/山崎努

黒澤明による『椿三十郎』と『赤ひげ』の間の監督作。自分の家から見上げる高台にそびえる家に住む権藤(三船敏郎)の子供・純(江木俊夫)を誘拐する竹内(山崎努)。誘拐した子供は純でなく、権藤お抱えの運転手・青木(佐田豊)の息子・進一(島津雅彦)だった。最初は金など払う気の無かった権藤だが、青木の嘆願、妻・伶子(香川京子)の説得もあり、青木の子供であっても要求通り3千万円用意することになる心情変化。無事子供を取り戻すも財産を失い、地位を失いかける権藤と恩義に思う青木の関係。会社経営権を権藤の手から奪いたい役員達の思惑。登場人物の絡み合う心理の描写が凄い。また、犯人が考えた身代金の受取り方、列車こだまに乗らせ電話で鉄橋にさしかかる所で現金を放り投げさせ追跡を許さないやり方。戸倉警部(仲代達矢)を本部長に犯人を絞り込んでいく捜査が理に適っていて感心しきり。振り回されるイメージの強いマスコミを逆に上手く利用し犯人の心理を突いていくのもなるほど。容疑者を竹内に絞ってからの尾行に関しても緊迫感に加え如何に難しいかも伝わってくる。
会社を追われることになっていくピンチな立場の中でも周りに当たることなく怒りをこらえる権藤が人間的に成長していくことも見逃せない。刑務所における権藤と竹内の対面シーン。権藤は小さな会社を任され一から出直しを図っていることが分かり、一方竹内は死刑直前で精神的にも救いの境地は得られていない。タイトルが示す天国と地獄。それが置かれた立場対比でもあり、それぞれの人生上の変化でもある。ただそれは考え方、精神、心持で変わるものであるとも言っているような気もする。

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