オリヲン座からの招待状

オリヲン座からの招待状(2007/日本)
評価(お奨め度)★★★★
監督: 三枝健起
プロデューサー: 佐々木亜希子
原作: 浅田次郎『オリヲン座からの招待状』(集英社刊『鉄道員』所収)
脚本: いながききよたか
撮影: 柳田裕男
美術: 花谷秀文
編集: 森下博昭
音楽: 村松崇継
VFXプロデューサー: 岡野正広
メインテーマ: 上原ひろみ
照明: 宮尾康史
録音: 高橋義照
出演: 宮沢りえ/加瀬亮/宇崎竜童/田口トモロヲ/中原ひとみ/樋口可南子/原田芳雄

原作は『ラブ・レター』『鉄道員(ぽっぽや)』『壬生義士伝』『椿山課長の七日間』『地下鉄(メトロ)に乗って』等多くが映画化されている浅田次郎。舞台は富田松蔵(宇崎竜童)と妻トヨ(宮沢りえ)が昭和25年に開館して営む映画館オリヲン座である。松蔵夫婦に面倒を見てもらいながら映写技術を教えてもらった留吉(加瀬亮)は、松蔵が亡くなってからトヨと共にオリヲン座を守っていく。周囲からはトヨを寝とったとか、若い留吉に乗り換えたと言われ客足が遠のく中貧乏になっても、商品のあんパンで食事を済ませたりしながらオリヲン座を続けてきた。だが、半世紀程続けたオリヲン座もトヨ(中原ひとみ)の余命が無くなった今、留吉(原田芳雄)は閉館することを決め、最終興行開催案内の招待状を送る。招待状は別居中の祐二(田口トモロヲ)と良枝(樋口可南子)夫妻の元にも届く。かつて子供の頃、家庭環境の良くなかった祐二と良枝はオリヲン座を遊び場とし、留吉とトヨが親代わりとなり家族のような4人であった。懐かしいオリヲン座に再来して、懐古の思いと共に夫婦再生がなるという話である。そしてこれまでプラトニックな関係、純な関係を貫いてきた留吉とトヨは最後にお互いへの愛を確認する。切ない男女の物語である。最終興行は『無法松の一生』である。無法松が陸軍軍人の未亡人とプラトニックな関係で純に交流する物語でまさしくトヨと留吉の関係である。それを観ながら二人の人生も幕を閉じる。
舞台が舞台だけに『ニュー・シネマ・パラダイス』が頭に浮かぶ。昔の映写機を扱う松蔵と留吉を見ていると、パラダイス座がフィルムが燃えたことによって火事になったことが思い出され、フィルムが焼けつくことを危惧してしまう。全くそのような事件は起こることないのだが、時代の流れによる単館映画館の客離れの悲哀が描かれる。私も単館の持つ雰囲気が好きで出来るだけ通いたい。だが、シネコンの影響で単館が次々に閉館に追い込まれている。実に寂しいことである。オリヲン座の時代はシネコンでなく、客離れの原因はテレビの普及である。また、『ニュー・シネマ・パラダイス』を再鑑賞したくなる。

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