八月の狂詩曲(ラプソディー)

八月の狂詩曲(ラプソディー)(1991/日本)
評価(お奨め度)★★★★
監督: 黒澤明
製作: 黒澤久雄
原作: 村田喜代子『鍋の中』
脚本: 黒澤明
撮影: 斎藤孝雄/上田正治
美術: 村木与四郎
衣装デザイン: 黒澤和子
編集: 黒澤明
録音: 紅谷愃一
音楽: 池辺晋一郎
ゼネラルプロデューサー: 奥山融
助監督: 小泉堯史
出演: 村瀬幸子/井川比佐志/茅島成美/大寶智子/伊崎充則/根岸季衣/河原崎長一郎/吉岡秀隆/鈴木美恵/リチャード・ギア

1991年日本アカデミー賞撮影賞(斎藤孝雄/上田正治)、照明賞(佐野武治)、美術賞(村木与四郎)、録音賞(紅谷愃一)を受賞。黒澤明監督による1990年『夢』と1993年『まあだだよ』の間の作品である。このころから柔らかな幻想的描写、演出が見られるようになる。1990年に『プリティ・ウーマン』に出演したところのハリウッド男優R.ギアが出演したことが大きな話題となった。
原爆が落とされたことの哀しみを、直接の被害者だけではなく次世代の目を通して描いた映画。前述のファンタジーっぽい映像が反戦メッセージを伝えられないとの評価もあったようだが、直接体験で描いていくのでなく、ばあさん・鉦(村瀬幸子)の話を通して、そして原爆の痛みが残されたモニュメントや場所を訪れ、戦争の痛みを感じていく孫・縦男(吉岡秀隆)、みな子(鈴木美恵)、たみ(大寶智子)、信次郎(伊崎充則)。また、ハワイに渡った鉦の兄が余命短いためハワイに来て欲しいとの知らせから、とりあえず孫達の親・忠雄(井川比佐志)と良江(根岸季衣)はハワイに赴くが、鉦の説得も兼ねて、鉦の兄の息子クラーク(R.ギア)を連れて帰ってくる。アメリカ人クラークの目からも通して原爆の残した哀しみを見つめていく。原爆の痛みを感じた上で、鉦とクラークが心を通わせていく姿に哀しみで終わるのではなく、前向きな希望を持つことが出来る。
父(鉦の兄)の死によりクラークは帰国してしまい、哀しみに暮れる鉦。そんな中、雨中雷に対し「ピカが来た」と叫び、雨の中を駆け出す鉦。それを見て婆さんを追いかける孫達。婆さんの悲しい原爆体験は分かっていたつもりだ。だが、その哀しみは理解を超えるものだと 鉦婆さんを追いかける孫たちは痛感する。反戦をこのような形で描いてみせる黒澤明。流石巨匠である。

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