アイ・アム・デビッド

アイ・アム・デビッド(2004/アメリカ)
I AM DAVID
評価(お奨め度)★★★★
監督: ポール・フェイグ
製作: ダヴィナ・ベリング/ローレン・レヴィン/クライヴ・パーソンズ
原作: アン・ホルム
脚本: ポール・フェイグ
撮影: ロマン・オーシン
編集: スティーヴン・ワイズバーグ
音楽: スチュワート・コープランド
出演: ベン・ティバー/ジム・カヴィーゼル/ジョーン・プロウライト/フリスト・ショポフ/シルヴィア・ドゥ・サンティス/マリア・ボネヴィー

私はデビッド(B.ティバー)。ブルガリアにおいて幼い時に家族と引き離され強制収容所に連行されてそこで育った。そんな生活に絶望していたデビッドをある男が手紙を持たせて脱走させた。船でイタリアへ、そこからは北を目指し祖国であるデンマークへ行けという。そして誰も信用するなとも。収容所育ちのデビッドには人間は悪い人ばかりと恐れてしまう。行く先々で出会う人たちはいい人なのだが信じることは出来ない。そんな折出会うのがスイスに住む老婦人ソフィーだ。デビッドを助けるいかにも優しいソフィーを演じるのは『スカーレット・レター』『101』『サバイビング・ピカソ』『ジェイン・エア』『永遠のマリア・カラス』のJ.プロウライト。過去にデビッドによく似た息子を失ってしまったソフィーは、息子を重ね合わしているのだろう。彼女は人間不信のデビッドに、まれに悪い人はいるが人は信じてもいいんだと諭していく。そんな折本屋で見つけたとある本。デビッドには見覚えのある本で、なんと彼の母親が著した本であった。デビッドの持つ身分証明書からデンマークに住む母親にソフィーは連絡を取ってくれる。ついに母親と再会出来てめでたしめでたしという話である。人間っていい人なんだと感じられる作品。
一方で、このストーリーには大きな叙述トリックがあった。デビッドを脱走させた男はずっと語り部としてしか登場しない。その男は時々収容所の回想シーンで出てきていた看守だったのだ。彼は収容所でデビッドを助けようとしたヨハン(J.カヴィーゼル)を撃ち殺した男。この看守はデビッドの母親と幼馴染であり、親子を助けようとしていたのだった。もちろん、デビッドを救いたいというヨハンの気持ちを察した上であえてヨハンを殺したのだ。この看守所長を演じたのがH.ショポフ。J.カヴィーゼルがキリストを演じた『パッション』に総督ピラト役で出演していた俳優である。
本作で出てくる強制収容所はナチス・ドイツのそれとは違う。ブルガリアはロシアと同じ共産圏であるが、第二次世界大戦が終わってからはこれら共産圏では自由主義的な思想を持った者を粛清と称して収容したのだそうだ。デビッドはギリシャやイタリアに逃げてなお共産圏の取り締まりに怯えていた。周辺の資本主義国に逃げても安心できなかったようだ。

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