蒼き狼 地果て海尽きるまで

蒼き狼 地果て海尽きるまで(2006/日本/モンゴル)
評価(お奨め度)★★★☆☆
監督: 澤井信一郎
製作: 千葉龍平
プロデューサー: 岡田裕/徳留義明/大杉明彦/海老原実
製作総指揮: 角川春樹
原作: 森村誠一『地果て海尽きるまで 小説チンギス汗』(ハルキ文庫刊)
脚本: 中島丈博/丸山昇一
撮影: 前田米造
特撮監督: 佛田洋
美術監督: 中澤克巳
編集: 川島章正
音楽: 岩代太郎
主題歌: mink『Innicent Blue~地果て海尽きるまで~』
照明: 矢部一男
第2班監督: 原田徹
録音: 紅谷愃一
出演: 反町隆史/菊川怜/若村麻由美/Ara/袴田吉彦/松山ケンイチ/野村祐人/平山祐介/池松壮亮/保阪尚希/苅谷俊介/今井和子/唐渡亮/神保悟志/永澤俊矢/榎木孝明/津川雅彦/松方弘樹

『Wの悲劇』の澤井信一郎監督は最近『仔犬ダンの物語』『17才 旅立ちのふたり』などモーニング娘の映画しか監督しないのかというイメージだったが、こんなシビアな歴史ロマン映画を監督。原作は森村誠一で、チンギス・ハーン(反町隆史)の謎の多い幼年テムジン(池松壮亮)時代と、父イェスゲイ・バートル(保阪尚希)が母ホエルン(若村麻由美)を略奪したことによる妻ボルテ(菊川怜)、息子ジュチ(松山ケンイチ)にまで及んだチンギス・ハーンの家族に及んだ悲しい運命の部分を描いたものとなっている。東はイスラム、西は中国朝鮮まで支配したというチンギス・ハーン。その行動力と統制力には圧倒されるが、遊牧民である彼らの支配域は一時的に攻め込んだ時には征服という形となっても引き上げたら支配しているといえるのかというところはある。日本では、吉成りて水干(静御前)を思うの成吉思汗と書くチンギス・ハーンは源義経だったと都合よい解釈をしたりする。そんなこともあって、今まで私は広大な地域を支配したという偉業のみで、実像については曖昧なままの知識であった。だが、誕生から幼年・青年期を描いた本作を見てはじめてチンギス・ハーンがクイズの答えのようなレベルからランクアップし人間としてどうあったのかのレベルまでようやく理解できたと思う。
いつの時代も女性は戦利品のように扱われる惨さがあるが、その悲しみが生む悲しき運命の連鎖を描いている。チンギス・ハーンも母ホエルンが略奪された身の上であるため、自らの出生もはっきりしない。母を略奪された仕返しに、メルキト部族に妻ボルテを奪われ、取り戻すことは出来たもののボルテは既に身重であり、生まれた子は母の説得により殺さずにジュチと名づけ育てる。ジュチとはよそ者の意である。結局ジュチは父に受け入れてもらう事が出来ずに、ひたすら父の愛を欲したまま若くして、父に言われるがままの遠征先で亡くなるのだ。チンギス・ハーンは通説には他の兄弟と同等にジュチを扱っていたとも言われているのだが・・。だが、いずれにしても権力者とは後継者となる息子との間に良好な関係を持つことは難しい。たとえ、ボオルチュ(野村祐人)や弟ハサル(袴田吉彦)との間のように信頼厚い主従の関係は築けてもである。「である」で思い浮かぶ、大河ドラマでの「であるか」の台詞が有名な反町隆史はやはり演技が大きすぎる。織田信長や今回のチンギス・ハーンの様な覇王の役にはなんとか合致するものの、堅さや大袈裟さが目立つ所作である。

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