パフューム ある人殺しの物語

パフューム ある人殺しの物語(2006/ドイツ/フランス/スペイン)
PERFUME: THE STORY OF A MURDERER
評価(お奨め度)★★★☆☆
監督: トム・ティクヴァ
製作: ベルント・アイヒンガー
製作総指揮: フリオ・フェルナンデス/アンディ・グロッシュ/サミュエル・ハディダ/マヌエル・マーレ/マーティン・モスコウィック/アンドレアス・シュミット
原作: パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』(文藝春秋刊)
脚本: トム・ティクヴァ/アンドリュー・バーキン/ベルント・アイヒンガー
撮影: フランク・グリーベ
美術監督: ウリ・ハニッシュ
衣装デザイン: ピエール=イヴ・ゲロー
編集: アレクサンダー・バーナー
音楽: トム・ティクヴァ/ジョニー・クリメック/ラインホルト・ハイル
演奏: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: サイモン・ラトル
ナレーション: ジョン・ハート
出演: ベン・ウィショー/ダスティン・ホフマン/アラン・リックマン/レイチェル・ハード=ウッド/アンドレス・エレーラ/サイモン・チャンドラー/デヴィッド・コールダー/カロリーネ・ヘルフルト

『ラン・ローラ・ラン』『ヘヴン』のT.ティクヴァ監督が、スティーヴンら蒼々たる映画化オファーしたというパトリック・ジュースキントのベストセラー「香水 ある人殺しの物語」を映画化。香りにとりつかれ挙句には女性の香り立つ匂いを追い求め凶行に及ぶ青年ジャン=バティスト・グルヌイユにB.ウィショー。香り捕集を狙われるローラには『ピーター・パン』でウェンディーを演じたR.ハード=ウッド。
グルヌイユは魚市場、魚のはらわたの上に産み落とされる。パフュームという題名から当然臭いや香りに意識がいく。この魚市場はかなり悪臭を感じる。そのような中で生まれたグルヌイユは犬や昆虫並の嗅覚を持っている。そんなグルヌイユが運命的といえる香りに出会う。赤毛の少女(K.ヘルフルト)から匂い立つもの。怯えた少女の口を塞ぎ殺してしまうが、横たわる体を裸にしてむさぼるように匂い尽くす姿に、凄い映画やなと思った。だが、これは序章に過ぎなかった。孤児のグルヌイユは死ぬまで働かされてもおかしくない不運な境遇なのだが、その嗅覚を駆使し、香水調合師バルディーニ(D.ホフマン)への弟子入りに成功する。次々に人気の香水を編み出すグルヌイユはバルディーニにはなくてはならない存在となった。だが、グルヌイユには人気の香水などどうでもよくある香りに執りつかれていた。あのプラムの赤毛の少女の匂いを取り出したい。
香料を取り出す技術の進む南仏グラースへ向かう。そこではバルディーニの工房で行われていた水蒸気蒸留法では動物の匂いは抽出出来ない。グラースでは油脂に香りを移す冷浸法が開発されていた。ここで抽出法を学んで女性から匂いを抽出する方法を編み出す。裸の女性に油脂を塗りたくり浸漬後、油脂のみ回収し蒸留する。一人の女性から得られる精油は数滴。その度に女性の全裸死体が増えていくのだ。実にえげつないストーリーだ。その中に赤毛の少女ローラも標的となっていた。まさに以前手にかけたプラムの少女への執着であった。ローラを守ろうと必死の父親(A.リックマン)をよそにローラも犠牲となる。最後の精油を得たところでグルヌイユは囚われる。だが彼はとうとう13種目の香料を手に入れた。バルディーニは言っていた。「古代エジプト人はある香料を加えることで究極の香水を創ることが出来ると信じていた。12種類の香料は分かっている。だが13種目が未だに分からない。」ローズマリー、ベルガモット、バチョリ、じゃ香、丁子、蘇合香、黄水仙、チュベローズなどに加えて13番目の香料だ。グルヌイユの恐ろしい犯行に対する残酷な刑の執行が言い渡される。いよいよ処刑が始まろうとした時、彼が布に含ませた究極の香料は処刑に沸き立つ民衆、ローズの父親すらひれ伏させる魅惑の香り。民衆は年齢身分を問わず隣人と愛欲の踊りに興じる。奇跡の香水が誕生したのだ。グルヌイユは生まれながら体臭を持たない。精油を得ようという時に怖がる娼婦に「怖がるといやな臭いが出る。」と彼は言う。逆にフェロモンとして人は異性を惹きつける匂いを発している。彼の編み出した抽出法は決して殺害を必要とするものではなかったはずだ。だが、体臭を持たない彼は女性から恐れられ、いい匂いなど抽出は出来なかったのだ。だが、究極の香水を手に入れた。ラストは罪を逃れた彼は香水を自らにふりかけ、民衆に愛され遂には食されてしまった。これは使えるとは思ったが・・。究極の香水を振りかけずとも、人気の香水で女性を魅了し抽出のための油脂塗りに協力させられたはず。あれ程までの犠牲は必要なかったはずだ・・。
2007年ヨーロッパ映画賞撮影賞(F.グリーベ)、エクセレント賞(U.ハニッシュ)を受賞。F.グリーベはT.ティクヴァ監督『ヘヴン』でも撮影を務めている。音楽にはベルリンフィルハーモニー管弦楽団が演奏を務めている。彼らの奏でる音楽と同じように香りについて語るバルディーニの台詞が思い出される。「香水にもハーモニーがあり、選ばれた四つの香料がハーモニーを生み出す。香水には頭、心、土台の三つの和音からなるので全部で12の音符が必要だ。」

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