バベル

バベル(2006/アメリカ)
BABEL
評価(お奨め度)★★★★
監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
製作: スティーヴ・ゴリン/ジョン・キリク/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリト

脚本: ギジェルモ・アリアガ
撮影: ロドリゴ・プリエト
編集: ダグラス・クライズ/スティーヴン・ミリオン
音楽: グスターボ・サンタオラヤ
出演: ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/ガエル・ガルシア・ベルナル/役所広司/菊地凛子/二階堂智/アドリアナ・バラーザ/エル・ファニング/ネイサン・ギャンブル/ブブケ・アイト・エル・カイド/サイード・タルカーニ/ムスタファ・ラシディ/アブデルカデール・バラ/小木茂光/マイケル・ペーニャ/クリフトン・コリンズ・Jr/村田裕子/末松暢茂

『21グラム』のA.G.イニャリトゥ監督。2006年アカデミー賞と英国アカデミー賞で作曲賞(G.サンタオラヤ)を、同年カンヌ国際映画祭監督賞(A.G.イニャリトゥ)、ゴールデン・グローブ作品賞(ドラマ)を受賞。菊地凛子はノミネートされるが受賞は出来なかった。全裸となったシーンを含め体当り演技だったのに残念。
話は群像劇。モロッコの山羊飼いアブドゥラ(M.ラシディ)は一挺のライフルを買った。ジャッカルを追い払うよう息子兄弟アフメッド(S.タルカーニ)とユセフ(B.A.エル・カイド)に預ける。3人目の子供を失い、夫婦の絆が揺らいでいるリチャード(B.ピット)とスーザン(C.ブランシェット)夫妻は絆を取り戻そうと、子供はアメリカに残し、ベビーシッターのアメリア(A.バラーザ)に託して二人だけでモロッコを訪れバスに乗っていた。
アメリアは息子の結婚式に出席、メキシコへの帰郷を楽しみにしていた。そして日本の東京。妻の自殺以来、父ヤスジロー(役所広司)と聾唖者の)娘チエコ(菊地凛子)の関は上手くいっていない。満たされないチエコは孤独から男を誘惑しようとする。
面白がってライフルの腕を競うアメフッド達。そして悲劇は起きた。ユセフの放った銃弾は、バスに乗っていたスーザンに命中。突如の射撃にテロではないのかとの恐怖、近辺の町には医者、医療施設もなくバスはパニックとなる。リチャード達が帰国できなくなって子供たちの面倒を引き続き見ないと行けなくなったアメリアは、頼る当ても無く結婚式へと子供を連れて行く。息子の結婚式が終り、子供を連れ帰らなければならず、祝いの興奮も覚めやらぬ中、息子サンチャゴ(G.G.ベルナル)の運転でアメリカへ向かう。サンチャゴは飲酒をしていたことも弱みとなったが、国境警備員との尋問でお互いの人種的偏見からもトラブってしまい、強行突破という事態へと発展。デビー(E.ファニング)とマイク(N.ギャンブル)を連れたアメリアは逃亡中、砂漠に取り残されパニックに・・。
全てはもう一歩相手を理解しようとする努力を怠ったことによる。言語の違い、文化の違いが理由とされるが、同じ国、地域、家族であってさえも相手のことを分かり合えずコミュニケーションが取れなくなっている。ヤスジローとチエコは親子であるが、言いたいことも分かってもらえずギクシャクするのである。
一挺のライフル、これはヤスジローがモロッコへ行った際に、軽い気持ちで現地の人間に残してきたものだった。遠く離れたモロッコの事件とは関係ないように思われた東京の物語も実は繋がっていた。ライフルの確認に来た警察のケンジ(二階堂智)は、チエコの全裸での誘惑には拒否しながらも、チエコの気持ちを黙って受け止める。そんなケンジの優しさに溜まっていた感情を少し吐き出せたように見えるチエコ。ヤスジローら東京の人達からは優しさや愛情が失われていない限り希望もあるということを垣間見せてくれた。リチャードとスーザンは極限のパニックの中で愛を確認でき再出発の兆しを見せる。確かに言葉や文化で人々は隔たりを生じる。だが、愛情さえあれば分かり合えるかもしれないとの希望を見せてくれる映画であった。

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