出口のない海

出口のない海(2006/日本)
評価(お奨め度)★★★☆☆
監督: 佐々部清
製作: 久松猛朗
プロデューサー: 野地千秋/佐生哲雄
製作総指揮: 迫本淳一
原作: 横山秀夫『出口のない海』(講談社刊)
脚本: 山田洋次/冨川元文
撮影: 柳島克己
美術: 福澤勝広
編集: 川瀬功
音楽: 加羽沢美濃
主題歌: 竹内まりや『返信』
照明: 渡辺三雄
録音: 鈴木肇
助監督: 山本亮
出演: 市川海老蔵/伊勢谷友介/上野樹里/塩谷瞬/柏原収史/伊崎充則/黒田勇樹/平山広行/尾高杏奈/永島敏行/田中実/高橋和也/平泉成/嶋尾康史/香川照之/古手川祐子/三浦友和

『チルソクの夏』『カーテンコール』『四日間の奇蹟』の佐々部清監督が横山秀夫の同名原作を『半落ち』に続いて監督。
第二次大戦で苦戦を強いられる日本が開発したのは特攻潜水艦・回天。航跡発生の問題から純粋な酸素を燃料とした九三式魚雷を特攻兵器に改良したもの。呉の大和ミュージアムに展示していた。この兵器によって命を散らしていった青年達を描く。潜水艦に搭載された回天に乗り込むのは、目標とする敵艦を見つけた時。乗り込んでしまえば、周りの様子は分からない。ただ、自分の命もろとも敵艦を静めるために回天は無駄に出来ない。使命を達成するための操縦も複雑で、訓練は過酷を極め、強靭な精神を必要とする。主人公の並木(市川海老蔵)ら特攻隊員達の待機状態の緊迫感、兵器故障により特攻を免れても帰る場所に居場所は無い。生きて戻ることへの批判的な思想が彼らを苦しめる。生き恥はさらせず、軍神となることしか道は残されていないのだ。野球で名を上げ、野球を夢見ていた並木にとって、同じように野球を行うアメリカ人への考えも違うし、父(三浦友和)の教えの影響もあり、家族も恋人もいるだろう敵兵に対する理解も違う。そんな並木は回天に乗る意味を、回天という究極の兵器があったこと、それに乗り込み命を落としていった者がいたことを伝えるためだという。このような特攻に若者を志願させ、命を奪っていった社会の罪を感じる。並木は敵に特攻できずに海底に沈んだまま死にゆく。死の恐怖が狭い回天の中で長く続いたであろう残酷さを思い胸が痛む。だが、敵兵への理解が出来ている彼ならば、敵兵を殺さずに軍神になれたことは救いだったかもしれない。

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