家族

家族(1970/日本)
評価(お奨め度)★★★★★
監督: 山田洋次
製作: 三島与四治
原作: 山田洋次
脚本: 山田洋次/宮崎晃
撮影: 高羽哲夫
美術: 佐藤公信
編集: 石井巌
音楽: 佐藤勝
出演: 倍賞千恵子/井川比佐志/笠智衆/前田吟/富山真沙子/春川ますみ/寺田路恵/三崎千恵子/塚本信夫/梅野泰靖/花沢徳衛/ハナ肇/渥美清/太宰久雄

『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』の山田洋次監督。18本目の監督作品は、九州は伊王島から北海道は中標津まで日本を縦断する家族の物語だが、全ロケーション撮影を行った挑戦的意欲作だ。会社が倒産し生活の苦しい風見家5人家族は、友人の誘いにより開拓に夢を募らせる精一(井川比佐志)に従い北海道を目指す。フェリーに乗る一家を見送る島の人、兄家族を見送る力(前田吟)の福山駅のシーン。車窓の風景を納めながらの山陽本線、新幹線車中。時は大阪万博が開催された1970年、万博会場と梅田地下街。暑さを避けて入った食堂のビールとお子様ランチを食べるシーン。荷物を抱え、子供を背負いながら雑多な上野駅に佇み、宿泊先を探す疲労と戦うギリギリの雰囲気。乗降船を含む青函連絡船での屈託のない人の描写。上野駅で出会う喜劇俳優(ハナ肇)と連絡船での男(渥美清)以外は、地元のエキストラを使い、隠し撮りを多用するゲリラ撮影が当時の世相を生々しく描き出している。高度成長期日本の中で奔走する貧しい風見一家が、子供・早苗と祖父・源造(笠智衆)の突然の死という不幸を経験しながらも必死で頑張る姿に家族愛を感じさせる。「なんでこげんむちゃなことば・・」と泣く精一に、「泣かんで父ちゃん、父ちゃんが泣けばうちはどげんことすればよかか・・・。」という民子(倍賞千恵子)の姿に厳しい現実を見る。しかし、そんな家族にも、厳しい冬の後に訪れる見渡す限りの緑と花と広大な北海道の土地が示す希望がある。セミドキュメンタリー・タッチで描く家族愛は生々しく心に強く響く。

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