硫黄島からの手紙

硫黄島からの手紙(2006/アメリカ)
LETTERS FROM IWO JIMA
評価(お奨め度)★★★★
監督: クリント・イーストウッド
製作: クリント・イーストウッド/スティーヴン・スピルバーグ/ロバート・ロレンツ
製作総指揮: ポール・ハギス
原作: 栗林忠道『「玉砕総指揮官」の絵手紙』(小学館文庫刊)/吉田津由子(編)
原案: アイリス・ヤマシタ/ポール・ハギス
脚本: アイリス・ヤマシタ
撮影: トム・スターン
美術: ヘンリー・バムステッド/ジェームズ・J・ムラカミ
衣装デザイン: デボラ・ホッパー
編集: ジョエル・コックス/ゲイリー・D・ローチ
音楽: クリント・イーストウッド
出演: 渡辺謙/二宮和也/伊原剛志/加瀬亮/松崎悠希/中村獅童/裕木奈江

2006年LA批評家協会賞作品賞、ゴールデン・グローブと放送映画批評家協会賞の外国語映画賞を獲得し、アカデミー賞にも期待のかかるC.イーストウッド監督が第二次世界大戦末期の硫黄島攻防を描いた作品。C.イーストウッドといえば、『恐怖のメロディ』が初監督作であり、以来監督、脚本等製作の手腕により受賞歴は凄い。本作は『スペース カウボーイ』『ブラッド・ワーク』『ミリオンダラー・ベイビー』のように出演もこなした作品ではなく、『ミスティック・リバー』のように監督に専念した作品である。
硫黄島での壮絶な戦いを描いているが、日米双方の視点で訴えようと、『父親たちの星条旗』との2部作になっている。『父親たちの星条旗』は観ていないのだが、面白い試みだと思うし、多観(多感)的な見方が必要とされ、リサーチ作業も大変である。
硫黄島の激戦はなんとなくは知っているようでも、その指揮官が栗林忠道中将(渡辺謙)であり、彼はアメリカ、カナダに留学経験のあるアメリカの理解者だったこと。ロサンゼルス・オリンピック馬術競技金メダリストの“バロン西”こと西竹一中佐(伊原剛志)も配属されていたこと等知らず、改めて学んだことが多い。
この手の映画にはメッセージ性を要求されるが、はっきり言って本作のメッセージ性はそんなに強くない。日本から生き残ること不可能な任務として送られてくる日本兵たち、負けを感じながらも“万歳”を持ってお国のための思想を堅持するために異分子は玉砕必至の戦地に送られる。或る者は玉砕覚悟で敵と対峙。或る者は手榴弾による潔い自決。生き延びるために敵に投降する者。投降しても無残に殺される者。捕まえた米兵に治療を施した者。また、その逆も居ただろう。軍人思想を教え込まれそれを実践する者・伊藤中尉(中村獅童)。軍人らしく死ぬべしと謳ってはいても、極限状態では死体に紛れて生き延びようとする者。いろいろな人間を淡々と描くのが戦争をテーマにした映画のあるべき姿勢である。特定の行動に感動或いは特別の感情を抱かせるためにはその部分にドラマ性を持たせる必要があり、あまりそれを露骨とするは良くないと思う。それでも、栗林中将と西中佐はアメリカのことも理解の出来る軍人として、ヒーロー的に描かれている。つまり、栗林中将のように大本営の指示に従いながらも兵士一人ひとりの心も察し、考え得る限りの指示戦略を立てる努力を見てほしいということだろう。
栗林中将の辞世「国のため重きつとめを果たし得で、矢弾尽き果て散るぞ悲しき」は大本営によって末尾が「散るぞ口惜し」に改ざんされたという。戦争犯罪人は特定できないという一面はあろうが、少なくとも戦争を推進し、最前線状況を含め戦況を改ざんし、戦地へ死にに行かす行為は大量殺害行為と言える。正しき道を見つけるための真実は隠さないで欲しい。
嵐の二宮和也もハリウッド映画に出るようになった。大出世である。彼の出演作は観た覚えがないが、ちょっと気にして観てみようと思う。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック