男はつらいよ/寅次郎かもめ歌

男はつらいよ/寅次郎かもめ歌(1980/日本)
評価(お奨め度)★★★★★
監督: 山田洋次
製作: 島津清
製作補: 佐生哲雄
企画: 高島幸夫/小林俊一
原作: 山田洋次
脚本: 山田洋次/朝間義隆
撮影: 高羽哲夫
美術: 出川三男
編集: 石井巌
音楽: 山本直純
助監督: 五十嵐敬司
出演: 渥美清/倍賞千恵子/伊藤蘭/米倉斉加年/あき竹城/笠智衆/下絛正巳/三崎千恵子/前田吟/太宰久雄/佐藤蛾次郎/中村はやと/村田雄浩/松村達雄/関敬六/杉山とく子/林家珍平/梅津栄/伊藤敏孝/光石研/吉田義夫

寅さんのはちゃめちゃドタバタコメディの中に日本の良き人情が感じられる。オーストラリア、イギリス、カナダ等外国に行った時、さりげない人助けが普通に見られることに心の豊かさを感じた。ボランティアスピリットである。日本ではめったに見ない光景だ。だが、寅さんワールドでは人の交流が温かい。そこには日本独特の温もりがある。これはボランティアと言ってしまうにはちょっと違うニュアンスを持つ。いわゆる人情である。寅さん達テキ屋仲間達は、友人(今回のマドンナ・すみれ(伊藤蘭)の父親)の姿を最近見てない、博打好きのどうしようも無い奴だ、金を貸したままになってると話している時、腸閉塞による病死したことを知らされる。死んだと聞いて墓参りをするという寅に、香典を預ける仲間達がまず温かい。墓参りをして、すみれと会うと、その境遇から学校教育も受けることができなったまま、親を失い寂しい娘であると分かり放っておけない。東京へ出て働きながら勉強したいと言うすみれを助けることになる。といっても東京は柴又ですみれの面倒を見ることになるのは寅やに関わる人たちである。定時制入学試験に合格するよう勉強を教える博とさくら。お百度参りをするおばちゃん。もちろん、働く必要もあるわけで就職の世話もしてくれる。他人のすみれにここまで出来るのだろうか。ほんと面倒見のいい寅やの面々である。すみれと父ちゃんを捨てたお母ちゃんが、父の死後のすみれを心配して寅やに訪れる。自分には男がいるから一緒には暮らせないと言いながら、用意できる精一杯のお金を置いていく母ちゃん。自分勝手な母ちゃんながら、自分のようにはならず、すみれには幸せになって欲しいとの娘への愛情は感じられる。娘や息子を邪魔にし殺害したりする親が事件となる最近にあっては、すみれ親子の関係ですら情を感じた。本作はすみれの通う定時性学校もテーマの一つ。松村達雄が演じる味のある先生が授業に取り上げた、「ばば」を連呼する詩にも心打たれるが、印象的な別のシーンがある。すみれに付き添って学校に通ううち、あの寅さんが入学願書を出していたのである。勉強してみたいと思える学校。求められる学校の姿がこの映画にあったのだと思う。さくらたちが買った家の祝いに、源公に借りた2万円にアイロンをかける寅さん。あふれる人情の中で巻き起こす騒動はやっぱり面白い。

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    Excerpt: 死んだ仲間の娘、すみれを何とか幸せにしてやりたいと、父親がわりの寅次郎が奮闘する物語。 Weblog: RUU-Blog  ~後悔と反省の日々~ racked: 2006-08-13 05:38